僕はウエディング・フォトグラファーを勤めていた時代がありました。
たくさんの祝辞を聞いて、たくさんの感動に触れてきました。
でも、肩書を持つようなお偉い人の代読は、寸分のスキもなく内容もとても立派なのになぜか感動が少ないのです。

一方で、新郎新婦のご友人がたくさんの人を前にして緊張しまくり、たどたどしく、起承転結も決してうまいとはいえない話に、なぜか涙が出るほど大きな感動を受けることがたくさんありました。
もちろん僕は仕事中なので、カメラを片手に冷静を装って毎度毎度必死に涙をこらえていたわけですが（笑）

新郎新婦を心から祝福したいという「善き心」が言葉の中にこもっているのですね。
お友達のために何か言ってあげたいという純真な真心が、聞く人の心を響かせるのでしょう。

美しいものに触れた時に感動する「善き心」があれば、人に感動を与える仕事が出来ます。
相手を心から想う真心があれば、人と深い部分で永続的に繋がることが出来ます。
「善き心」をベースにした人への真心と感動のない者は、何をやっても駄目です。

今年も同じ場所、同じ桜の花を愛でながら、「善き心」を育むための毎日の一瞬一瞬の生き方を大切にしようと心に誓った次第です。

京都 - 桜